ツカツカツカと歩いて来る圭くんにギョッとしながらも、あたしは慌てて回れ右をして逃げ出そうとする。
だけど、飛び出すのが遅かった。
あたしはあっさりと圭くんに掴まってしまう。
「ほら、ごちゃごちゃ言ってないで、観念しろ」
「観念しろって……。う~…っ、圭くんの馬鹿~~!! 横暴だ~!!」
「うるせぇ! ただでさえ、俺は忙しいって言ってんだろ? 余計な手間をかけさせるな」
「そんなに忙しいなら、家に来てくれなくてもよかった…」
そこまで言ったところで、圭くんの突き刺さる視線にあたしは口を閉じる。
「そもそも、お前があの変なメールを送ってきたのが発端だろうが」
「・・・はい・・、すみません・・・」
そう言われれば、何も言えなくて。
でもね、言い訳をさせてもらうと、正しくはあれを送ったのはママだったわけで…
頭の中でうにゃうにゃと考えていると、「誰? その子…」という声に、あたしはハッと顔を上げた。
すると、部屋のドアから覗くようにしてこちらを見てくる三人ほどの集団。
だけど、あたしはその中に一人、女性がいることに驚いた。
だけど、驚いたのはあたしだけじゃなかったらしく、相手の女の人も、驚いたように目を見開いたまま、その場に立ち尽くしていた。
き、綺麗な人――…
静香さんも、すごく綺麗な人だったけど、この人も静香さんとは違うタイプの綺麗な女性――…
大学生って、綺麗な人が多いんだな~…
―――なんて、感心していると、グイッと腕を引っ張られた。
「ほら、立ち止まってないで、さっさと中に入るぞ」
ぇえ~~~!!?


