「それよりお前、携帯ちゃんと見たのか? 何度もお前の携帯に連絡入れたんだぞ? 俺だけじゃなく、加藤や稲垣も!」
「ああ、きてたな…」
何事もなかったかのように言う圭くん。
全然気づいてなかったけど、あたしと一緒にいる時も携帯が鳴ってたんじゃ……。
もしかして、圭くん、かなり、忙しい中に抜け出してきてくれてた?
「きてたなじゃねぇよ! お前がいないと、全然進まないんだからな! どこか行くなら行くで一言ぐらい言ってから行けよ!」
「言っただろ? ここを出る前に『ちょっと出てくる』って」
圭くんの返しに、何も言えなくなったのか反論の声は聞こえない。
それとは別に、圭くんの「あれ?」という声が聞こえたかと思うと、ドアから顔が覗いた。
「茅乃、お前、そんなところに突っ立ってないで、さっさと入ってこい」
えぇ~~~!!?
中には、圭くんと同じ大学生がたくさんいるんでしょ?
おまけに、話しているのを聞いていると、男の人ばかりみたいだし……。
仮に、前に会った圭くんのお友達のコウさんや雅紀さんたちなら、あたしも少しは大丈夫かもしれないけど………
ブンブンと首を横に振って、「無理!!」とアピールする。
だけど、圭くんはそんなあたしを目を眇めて睨んでくる。
こ、怖いって~~…。
そもそも、この中に高校生の部外者であるあたしが入らなくちゃいけないということの入りづらい気持ちとか少しはわかってよ!!
圭くんはじ~っとあたしを見つめたまま、こちらに来ようともしない。
そして、あたしももちろん、この場から一歩も動こうとしない。
そして、そんな均衡を破ったのは、もちろん圭くんだった。


