「おばさんには、ちゃんと話してきたのか?」
あたしが車に乗り込み、シートベルトを付けようとしていると、圭くんは軽く聞いていた。
それに、あたしは「うん」と頷く。
「おばさん、なんて? こんな時間からだから、何か言われたか?」
「え? あ、え~っと・・・」
お泊りしてきてもいいと言われました…とは、言えないので、「特に何も…」と返す。
圭くんもママのことはよくわかっているから、「まあ、おばさんだしな…」と納得していたようだった。
「それじゃ、行くか。お前、飯食ってないだろ?」
「う、うん…」
「俺も。だけど、俺、今忙しくて、ゆっくり飯食ってる時間ないんだ」
「えっ? じゃあ、わざわざ来てくれなくても……」
「お前…。変なメール寄越しておきながら、それはないだろ。俺は、忙しい中、お前が変なメールを送りつけてくるから、わざわざ来てやったんだぞ?」
な、なんだろう?
すっごく遠まわしに、押し付けがましい言い方をされている気がするんだけど………
別に、会いに来てくれなんて全然メールに書いてなかったと思うし――…
ムッとしながらも、それでも忙しい中、わざわざあたしのところに来てくれた圭くんのことを思うと、口に出して文句は言えなかった。


