あたしはあまりの恐怖に、携帯を放り投げた。
だけど、放り投げたぐらいでは、携帯は鳴り続けたまま―――…
奏でているのは、普通の着メロのはず。
それなのに、あたしの耳には、地獄へのプロローグのように聞こえてくるのだから、恐怖だ。
放り投げてしまったことで、ベッドからは落ち、床の上で振動しながら鳴り続けている携帯。
だけど、あまりの恐怖に動けないでいたあたしを前に、携帯は動きを止め、音も鳴りやんだ。
―――あまりにも出ないから、諦めたのかな?
恐る恐るベッドから降り、携帯の前にしゃがみ込んで携帯を見つめる。
すると、途端に携帯に出なかったことによる恐怖が自分を襲ってきた。
ちょ、ちょっと、さすがにやばいかも………。
だって、今の今で携帯に出なかったということは、避けてるって思うよね?
だって、あたし、さっき自分の手でじゃないけど、メール送信したことになってるし。
恐らく、圭くんの今の電話は間違いなく、メールに対しての電話に違いない。
それにでなかったあたしは、避けてるって――…
ひぃいいいいいいっ!!!
これでもかと言うほどに怒り狂った圭くんの顔が浮かびあがって、あたしは恐怖に慄いた。
あ、あたし、もしかして、自分で自分の首を締めちゃったりした?
うぅ…。
ど、どうしよう………
そう思っていると、またも鳴り出した携帯。
恐らく相手は――…


