「マ、ママ…、一体、何した…?」
「ん? 茅乃がメールを送れていなかったのは、ママが呼んだからでしょ? だから、ちゃんと送ってあげたの!」
まさしく、語尾に『うふ❤』とハートマークがつきそうな程のにこやかさで言い切ったママに、あたしはめまいがしそうだった。
「な、なんで、勝手にそんなことするのよ~~~!!!」
「え~~? どうして、茅乃、怒るの~?」
そりゃ、怒るわ!
勝手に人の携帯を見るだけじゃなく、操作までしてくれちゃって!
「非常識!!」
「が~ん!! ママ、ショック~…」
そうは言っていても、全然、ショックを受けているようには見えませんが…?
――って、問題はそこよりも!!
あたしは、送信済みボックスから、さっき自分が作成したメールを読み返す。
べ、別に、おかしなことなんて何もないよね?
何もない…、何もないはずだけど―――…
なんか、怖い………
ぁあ~~~!!
あたし、どうしてメールをそのままにして置いておいたかな?
早々に消去しておくべきだった………。
でも、まさか、ママがメールを送信しちゃうなんてこと、想像つく?
普通なら、そこまで頭なんて回らないよ。
「ハァ~~~~…」
盛大にため息を吐いたところで、私はその場で項垂れる。
送ってしまったものは、もう返ってこない。
『見ないで!』と圭くんに電話をしたところで、圭くんの性格上、喜んで見そうだし――…
別に、変なメールじゃなかったもん!
全然、普通のメールだったもん!
だから、大丈夫!
全然大丈夫!!
うんうんと自分の中で、無理やり納得しながら、あたしはなんとか気持ちを落ち着かせた。


