仰向けに寝転んでいた体を反転させて、あたしは机の上に置いてある携帯に手を伸ばした。


 携帯を手にしてから、画面に圭くんのアドレスを呼び出す。





 電話、あまりしたことないけど、し、してみようかな………。





 なんかわかんないけど、すごく緊張するけど……。


 たかが電話をするだけなのに、心臓がバクバクとうるさいほどに騒ぎ出す。





 ど、どうしよう……。


 電話をしようと思うものの、圭くんは忙しいからここ最近、電話やメールが減っているわけで………。


 そんな中で電話をかけても逆に迷惑になるかもしれない。


「メ、メールのほうがいいかも……」





 うん、メールなら煩わせることもないはず。


 忙しければ、見ないだろうし。


 それで行こう!


「よしっ!」





 気合を入れたところで、体を起こしメール作成へと入る。


 だけど、数分後――…


「・・・わかんない・・」





 何を打てばいいのかわからない。


 いつも、事務的なこととか、送られてきたメールに返信するだけだったしな……





 本当に女子高生!?と思われても仕方がないくらい、メールしないしな……


「と、とにかく!」





 題名に何を入れるのかだけを決めた。


 題名は『お疲れ様です』


 社会人の挨拶か!?って、突っ込みたくなるけど、現状では、圭くんは学校にバイトと忙しい生活が続いているわけだから、変ではないはず。


 固い気もするけど、可愛く『茅乃で~す!』なんて入れると、絶対にからかいのネタにされること間違いなしだから、そこはあれで問題ないはず。


 問題は、何を書くかなんだよね~…





「う~ん…。題名が“お疲れ様”だから、やっぱり流れ的に、そういう感じ?」





 頭を悩ませながら、なんとかメール文を作成するあたし。


 これが意外と、時間がかかって――…





 20分後―――…