まっすぐに、俺のことを見つめてくる茅乃の大きな目に映る自分が、すげぇ汚れているように思えた。


 だけど、茅乃は、そんな俺さえも受け入れてくれている。


 それだけでも、満足しなくちゃいけないんだ。


 これで、自分の欲望まで押し付けるとか―――…。


 そんな好き勝手していたら、さすがに罰が当たりそうだしな………





 もう一度溜息を吐いてから、俺は振り返り、視線をベッドの下にある引き出しへと向ける。





 そこには、茅乃にさっき持っていないと言っていた物が入っている。


「俺に限って、用意してないとかあり得ねぇし………」





 だけど、あいつのことだ。


 そうまで言わないと、絶対に安心して寝ることもできないだろうし、警戒心剥き出しの顔で一日いられるのも困る。


 あいつのあの警戒心を剥き出しにした顔はやばいんだよ。


 警戒しているはずなのに、俺にはあの顔は誘っているようにしか見えない。


 あの顔で、長い時間見つめられると、俺の理性なんてものは、一瞬で吹っ切ってしまいそうだ。





 ベッドに頭だけ乗せて、俺は天井を見る。





 そもそも俺、今夜一晩、あいつに手を出さずにいられるのか?


 いやいや、居られるのかじゃない。


 手を出さないようにしないといけないんだ。





 我慢するのって、すげぇきついんだな……