「とりあえず、お前はこのまま横になってろ」
圭くんは、ベッドに乗っているのを幸いとばかりに掛け布団をめくると、その中にあたしを寝かせ、上から布団をかけてくれた。
「何か……。こういう時って、スポーツドリンクとかがいいんだよな。俺、ちょっとコンビニに行ってくるから、お前はそのまま寝てろ。いいな、絶対に起き上ったりするなよ」
財布など諸々を持ち、ポケットに入れていきながら、圭くんは玄関へと歩いていく。
そして、最後に『絶対に起き上るなよ』と念を押してから、部屋の外へと出て行った。
圭くんが出て行ったのを見てから、あたしは盛大にため息を吐いた………。
なんか、あまりにも真剣に心配をされてしまったから、無性に罪悪感が………
だけど、今更違うとも言えないし―――…。
あんな風に、あたしのことを心配する圭くんを見ると、あたしって、ちゃんと圭くんに大事にされてるんだとわかる。
それなのに、自分の気持ちがなんやかやといろいろと理屈をつけて、圭くんに我慢を強いている自分がすごく小さな人間に見えてくる。
「―――圭…くん……」
今はいない、この部屋の主の名前を小さく呼ぶ。
そして、あたしはそっと自分の鎖骨へと指を滑らせた。
あの時に感じた熱が、今もぶり返してきそうになる。
あの時、怖いと思ったのは確か――…
だけど、それ以上にあたしは圭くんの与えてくれる刺激に感じていた。
心よりも、体の方が素直だった………。


