いきなり人によって視線を遮られて。
それも手で目を隠されて、それで抵抗するなですって!?
“だ~れだ?”
“その声は、圭くん!”
なんて、甘い空気の目隠しならわかるわよ。
だけど、こんな一方的なことで抵抗するなってほうが無理でしょうが!
―――っていうか、あたし、今あり得ない想像したけど………
もう一度、自分と圭くんのその甘い展開を思い出したところで、あたしは胸焼けしそうなぐらい気持ち悪くなった。
「―――気持ち悪い…」
「え? おい、大丈夫か? どうした?」
ただ、自分の想像の中で気持ちが悪かっただけなのに、急に圭くんは焦りだす。
もちろん、あたしの目を塞いでいた手は外された。
「気持ち悪いって、お前、どこか調子でも悪いのか?」
「え…? あ、えっと……」
ただ、自分の妄想のことでの何気ない一言だったのだけど、やけに真剣な顔で心配してくる圭くんを前にすると、真実を言えない雰囲気。
どうしようかと悩んでいると、額にひんやりとした手が乗せられる。
「―――熱は…、なさそうだな……」
はい、もちろんあるはずなんてありません。
だって、あたしが言った気持ち悪いの意味は体調が悪くて気持ちが悪いじゃないんだもん!
だけど、予想以上に圭くんのあたしを心配する様子に、今更言えない雰囲気。
これなら、即座に『違うよ!』と否定するべきだった。
ど、どうしよう………。


