背中に触れるふわりと心地いい感触。
それが、ベッドの上に押し倒されたことだとわかる。
「け、けけけけ圭くん!?」
「大丈夫だって」
ニッとあたしを見下ろして、そう告げる。
だけど、『大丈夫』って本当に!?
どう考えても、この体勢を見る限りじゃ、とてもじゃないけど大丈夫とは言えない雰囲気なんだけど………
それどころか、かなり危機的状況じゃないですか?
「・・・んっ!」
パニくるあたしを余所に、圭くんはいつの間にかブラウスのボタンをいくつか外していてその中にスッと手を入れてくる。
「ちょ、ちょっと!」
慌ててあたしの服の中へと侵入しようとする圭くんの腕を両手で止める。
「なにしてんだ? 離せ・・・」
「い・や・だ!!」
っていうか、この状況でこの命令口調は如何なものなわけ?
鋭い視線を向けてくる圭くんに、あたしも負けじと睨み返す。
しばらくの間、あたしと圭くんの間で視線だけでの攻防が繰り広げられる。
力では負けちゃうけど、ここでは負けないんだからね!
じ~っと睨み合っていたその時間がどれぐらいだったかはわからない。
だけど、圭くんは諦めの息を一つ吐くと、「わかったよ」と負けの言葉を呟いた。
その言葉に、あたしもホッと息を吐く。
だけど―――…
相手は、あの圭くん。
少しの油断さえもしちゃいけなかったのに………。
あたしは、つい圭くんの珍しい負けの言葉に気を緩めてしまった。
それは、自分が掴んでいた手にもかかっていて―――…


