色気なんて全くない、抱き上げるという行為に、あたしは空いた手で圭くんの肩をポカポカと叩く。
「いてぇ・・・」
何を冷静に言ってるのよ!
「は、離してったら! 一体、何するつもりなのよ!?」
この行為が指す意味がまったくわからなくて、あたしは軽くパニック。
「うるさい。静かにしてろ! でないと、舌噛むぞ」
「へ?」
舌噛むぞって、一体、あたしに何をするつもりなの!?
意味のわからない圭くんの脅しの言葉に、あたしは恐怖に顔を引きつらせた。
ママの馬鹿~~~っ!!
ママの勝手な暴走のお蔭で、あたし、すっごいピンチじゃん!
このピンチを作り出してくれた、諸悪の根源であるママを思い出し、あたしは心の中で喚き散らす。
「け、圭くん?」
不安な気持ちから圭くんの名前を呼ぶと、スッと体を下ろされた。
そのことにホッとしながらも、微かに感じるふわりとした感触に、あたしは嫌な予感をしながら、そっと視線を後ろへと向け、確認する。
ひ、ひぇえええええ!?
ピンチ、未だに継続中ですか!?
さすがにこれはまずいと、自分の貞操の危機を今まで以上に感じたあたしは、なんとかこの場から逃れようと暴れる。
だけど、すでにあたしの目の前にいる圭くんはそんなあたしの腕を掴んだかと思うと、ゆっくりとあたしを押し倒してきた。


