「そんな大事な物なのか?」


「うん……小夜さんに頂いたの」


「お婆ちゃんに?」


「うん……どうしょう…」


杏花はリビングの床を這い始めた。


「後でルームメイクして貰う時に探して貰おう」


「………うん」


「で、どうしても見つからなかったら俺も謝ってやるから」


「…………うん」


杏花は納得して無いようで、ソファの下やクローゼットの中まで。


「杏花?」


「…ごめん、もうちょっとだけ…」


仕方ねぇなぁ…こうなったら、言っても聞かない。


俺は杏花と共に髪留めを探す事に。




結局、髪留めは見つからず…


「大丈夫だって、わざと失くしたワケじゃ無いし」


「わざとだなんて、とんでもない…」


「なら、話せば分かって貰えるって」


やっぱり、杏花は納得がいかない様子。


うーん、どうすれば…。