フゥ~。


気を取り直して楽しむとするか。


「杏花、昼飯食ったらフィレンツェに行くぞ」


「えっ!?」


「今回は飛行機じゃ無くて、列車の旅だ」


「列車?」


「あぁ」


杏花は瞳を輝かせて…


「何時に出発?」


「13時25分」


「えっ?じゃあ、急いで食べないと…」


「ん~でも、フレッチャロッサで取るのもいいな」


「フレッチャ……ロッ…?」


「フレッチャロッサ。イタリアの高速列車だ。赤くてカッコイイ」


「へぇ~、じゃあ、その……フレッチャロッサで食べようよ」


「フッ…そうだな。じゃあ、それまでブラブラするか」


「うん!!」


さっきまで凹んでた杏花がもう元気になった。


やっぱり俺って杏花に激甘かも。


杏花はさらに瞳を輝かせ…俺を熱い視線で眺めてる。