俺が呼んでも全く気付かず…


近づいても気配すら感じてない様子。


はぁ……。


見るなとも言えず、かと言って黙って付いているのもどうかと思うし。


結局、杏花を甘やかし我慢する…俺。


杏花はフラフラ~っと、すぐに俺から離れてしまう。


気が気でない!!


手をしっかり握っていたハズが、


いつの間にか観光客の人だかりの中に…。


おいっ!!どこ行った!?


俺は必死に杏花の姿を探す。


あっ!!……いた!!


ったく、俺の気も知らねぇで。


ちょっと気を抜いただけで、あんな遠くに…。


俺は急ぎ足で杏花の元に。


観光客が沢山いて…杏花と似た服装の女ばかり。


あ゛―――――、目立つ服着せりゃあ良かったな。


「おいっ、杏花。勝手に1人で先行くなよ」


「え?あっ、ごめぇ~ん」