1等室に戻った俺らは、美味しい朝食を食べながら
このイタリア旅行を振り返えっていた。
11時過ぎにサレルノ駅に到着。
俺と杏花は急ぎ足で駅を後にした。
「要!?どこ行くの?電車じゃないの?」
「あぁ、電車じゃない」
「じゃあ……バス?」
「いや、バスでもない」
「じゃあ、タクシー?」
「いや…それも違う。杏花、そのバッグ持ってやるから急いでくれ」
「えっ?」
俺は左手に杏花のバッグ、右手に杏花の左手を握って…。
着いた先は港の船着き場。
「船!!!??」
「あぁ。日中は海から眺めるポジターノが良いそうだ」
「ポジターノって?」
「アマルフィの断崖にある家並みだ」
「へぇ~要ってホント何でも知ってるのねぇ」
……いや、俺も昨夜ホテルのスタッフに聞いて知ったんだ。
まぁ……杏花には内緒だがな。



