俺らが泊まっているジュニアスイートは、
広い浴室に大きなジャグジー風呂がついている。
俺は杏花が髪と身体を洗っている間、浴槽に浸かる事にした。
ほんのり花の薫りが漂う湯船。
俺は目を閉じて、杏花が入って来るのを待っていた。
はぁ……マジで、一体どうしたんだ?
一緒に初めて入ったのがついこの間。
それも嫌がる杏花を押し切る形で。
一緒に入るのが楽しかったようにも思えない。
何で急に入りたくなったんだ?
もしかして、何か謝りたい事があるとか?
考えても答えは出て来ない。
残るは……おねだりか?
俺は湯を掬って顔にかけると…
「要?」
杏花の声に目を開けると、すぐ隣に杏花が座っていた。
ジャグジーのブクブク音で、隣りに来たのにも気付かなかった。
肩と肩が触れ合う距離。
それだけでもドキッとしてしまう俺。
杏花は濡れた髪を緩く纏め上げ、ほんのり赤らめた顔で俺を見る。



