杏花は周りのテーブルを見回している。
フッ……出たな……杏花レーダー。
杏花の脳内はレシピや調味料で埋め尽くされているようだ。
「杏花………杏花??」
「………ん?」
“杏花の魂、ここにあらず”状態で振り返った。
「店を持ちたいって言っただろ?」
「んッ!?………うん」
やっと俺の元へ杏花の魂が戻って来たか?
「例えば…どんな感じの?」
俺は優しい口調で訊ねると、
「えっとね?お店はさほど広くなくてね?」
「うん」
「明るい色を基調としてるんだけど、派手じゃ無くて…」
「ん」
「温かみのある照明とインテリアに拘って…」
「ん~」
「でね?季節でメニューを変えたり…」
「………なるほどね」
「フフッ……夢のまた夢よ…」
杏花はハニカミながらミネラルウォーターを口にした。



