杏花が手にしたのは手作りらしいマグカップ。
これの何がそんなに気に入ったのか?
「コレ……何かあるのか?」
「え?あっ、うん……これね…」
杏花は大事そうに両手で支えて…
「ホテル時代に担当してたデザイナーさんの作品でね?昨年、亡くなったの」
「え?」
「突然の事故でね……まだ、32歳だったのに…」
杏花は今にも涙が零れそうなのを
……必死に笑顔で堪えている。
杏花が知り合いのデザイナーの作品は、
柔らかい雰囲気のテーブルセットが一式揃っていた。
店内の一角にそのデザイナーのコーナーが。
俺は杏花が欲しいと言う商品をフルセット購入。
次に俺らが着いたのは“お茶の専門店”
ストロベリーやミントといった、
ハーブやフレーバーティーが人気で
中でも今1番人気が“フレーバーソルト”
杏花は珍しそうな茶葉の薫りを嗅ぎながら、
夢中で店内を歩き回っている。
すると――――、



