補習授業最後の日。 近年稀にみる猛暑となった。 貧乏公立高校は各教室にクーラーなんて贅沢なモノが付いているはずもなく 室内はうだるような暑さだった。 腐りかけのブルドックのような 数学担当のスズキは もう滝のようにダダ流れる汗を 拭おうともしないで言った。 「あ~・・・次の問題、を、山下。」 「・・・はい。」