シーツの冷たさが、急に現実を教えてくる。
夢の中の微睡みは、幸せだったはずなのに、目覚めてしまって思い知る現実の残酷さに少し嫌気がさす。
わかっているはずだ。
頭の中では、とてつもなく冷静な自分が言い聞かせようとしている。
知っていて、選び取ったはずだ。
再度、自分と視線が合う。
この甘くて残酷な、私だけの現実を。
目覚めたら、あなたがいないベッドのとなり。
痕跡さえない。
いや、痕跡さえ残させない。
あなたが冷酷なのではない。
私が、弱いだけだ。
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