「ありがとう。」
「いえ。先輩かなりの猫っ毛なんですね。」
「そうなんだよ。ワックスとかでも全然きかないんだ。」
「へぇ………」
ワックスなんてつけるのか。
ちょっと意外だ。
「ワックスだなんて、先輩でもオシャレに気を遣うんですね。彼女さんのためですか?」
「違うよ。だいたい僕、彼女いないし。」
彼女はいない、その言葉に安心する自分。
やっぱ好きだな、この人のこと。
「と言うか、僕でもってどういう事さ?」
「え、いえ。深い意味は……」
「ふーん。まぁいいけどね。」
どうして先輩の笑顔は、こんなにも優しいんだろう。


