手を離して、横目で宮塚くんを見る。


僕の視線に気がついた宮塚くんは、フッと笑った。



「先輩、そんな顔してどうしたんすか?」
「何でもないよ……」



宮塚くんが稔くんの肩に腕を回す。



「なんだよ、気持ち悪い。」
「いいじゃん。友達、だろ?」


言葉の最後は僕へ向けられたみたいだった。




肩を組む二人を見てると
何だか、胸がムカムカする。



「離れろ。」


稔くんが宮塚くんの腕を振り払った。


ほっとしたけど、やっぱり胸のムカムカは無くならない。



なんか僕………
スッゴい性格悪いかも…。



「由貴先輩?」
「………僕、」
「?」
「帰る…」
「え?あ、ちょっ――」



稔くんが手を伸ばしたけど、捕まる前に僕は部室を出た。



だって、だってなんか………。


このままだと僕――。



ぎゅっと唇を噛みしめて、ムカムカする胸を握りしめた。