さっきまで二人きりだった空間に、宮塚くんの姿が。


全然気づかなかった…。


「俺も混ぜてくださいよ。」
「お前な…邪魔。」


稔くんはため息をついて、片手で宮塚くんを追いやる素振りをする。



「いいじゃん。俺も仲間に入れてよ。」
「誰が入れるか。」



近くにいた稔くんの体温が離れていく。


あ……


寂しい。



無意識のうちに僕は稔くんの制服を掴んでしまった。



「……由貴先輩?」
「あ……ごめん。」
「?」


――行かないでって言いそうになっちゃった。