【完】恋愛コンプレックス



「5日って、今週の土曜日のこと?」



「...うん。」




ぎゅっと腕の力が強くなってよりいっそう香りが立つ。



ずっと会いたかった。


半年間待ってた。



でも、あえたときの嬉しさは想像よりもはかなくて小さかった。



「妃稲、俺が死んだのはお前のせいじゃないから気にするな?自分を攻めてる妃稲を見ているほうがつらい。」



「ゆう、やっ....。」



幸せになれない、なる資格なんてないって自分に言い聞かせていた。


それは今も変わらないこと。



私とかかわらなかったら裕哉が死ぬことはなかったんだ。