「まあ、妃稲が可愛いから駄目なんだろ?」
「はあ?」
稜が少し赤くなった顔を隠しもせずにそんなことを言うから間抜けな声が出てしまった。
確かに、春斗君にメイクしてもらってましな顔にはなっていると思うけど....
「顔だけじゃなくて、言ってることが...」
「...?」
ますますわかんない。
そんなこと言ったっけ?
でも、いいや。
この雰囲気嫌いじゃない。
ふわふわしていて軽いお砂糖みたいに甘い。
「帰るか、さすがにそろそろ沢木も戻ってくるだろう。」
「そうだね。」
今日、たくさんいろいろあったけど、全部イヤじゃなかった。
「あ、」
「なんだよ。」
「マスク返して。」
「げっ、覚えてたか。」
なんて、笑いあってたりしていた



