「りょ....ぅ。」




助けて....



何で、私が稜の名前を呼んでいるのかは分からない。



裕哉の名前を呼んでもおかしくない状況で、何で稜なのかは分からない。



最近そばにいる男の子だから?


裕哉はこの世にいなくてよんでも助けてくれないから?



そのどれとも違う気がする。


だから分からない....



「ふふふっ。妃稲、俺の妃稲ぁーー。」



「イヤッ。」



私の悲痛な叫びもたぶん沢木を高ぶらせる道具に過ぎないのだろう。



そのときだった



バン!!!



ドアが勢いよくあいた。