【完】恋愛コンプレックス




「後で、第一商業室に来いよ?」



「ヒッ、耳元で囁かないでください!」




背中に鳥肌が立つ。


本当に、本当に、気持ち悪い!




しねー沢木!



「コホン。寝てた人もいるようなので一から説明します。」



沢木は気分を舞い上がらせて教壇に戻っていった。


「妃稲、ドンマイ。」


「...京香ー。寝てたのしってたら起こしてよ。」



隣の席の京香は、両手で謝るしぐさをする。


いや、確かに私が悪かったんだけどさ....




おかげで、放課後つぶれるじゃんかよ!



私は、頬を膨らませて教壇にいる沢木に向き直った。