妃稲SIDE



「どうしたの、妃稲。すっごく可愛くなっちゃって。」


「ん?これ?春斗君とか言う男の子がしてくれたの。」



教室に戻ると京香が血相を変えて走りよってきた。


そして、私を見る男子の視線が突き刺さるようでいたい。



「春斗くん....ボソ」


「え?」



何かささやくような声が聞こえたときだった。


「「「「日高さん、今春斗君って言った?」」」」


「ええええ?」



女子の皆さんが詰め寄るように走ってきた。


「いい、ましたけど...そんなすごい子なの?」



確かにメイクの腕は尋常じゃないほどすばらしいと思うけど....