妃稲side
「外せ、」
「嫌だ。」
「はず」
「や。」
はい、只今、綾と言い合いちゅう。
あの夏の日から少しだけ時間が過ぎて10月前半の今。
あれから綾は毎朝私の家に来るし休み時間はこうして屋上にいたりする。
「コンプレックスなおしてやるから!」
「い~や!いいの!治らないの」
簡単に治ってたら苦労しないわ!
はい、お察しの通りマスクを外す、外さないの言い合いちゅう。
「…どうすればいいんだよ。」
「どうしても無理なの!」
「~…。…!!!」
……ヒヤリ
何か悪寒がする。
だって綾の微笑みがヤバい。
絶対、何か企んでいる。