【完】恋愛コンプレックス



日高の家まで送って行ってから少しだけ近くの公園に立ち寄った。


小さい頃に母さんに連れてきてもらった、もうあんまり覚えてないけど……。


ハゲかかったベンチにそっと腰をおろした。


ギイ…


錆びた音が鳴る。



あの頃と同じ純粋な気持ちでこの景色を写すことはできない。



♪~♪~


誰だよ……?


未だにガラケーを使っているから一々開かなくてはいけない。


「…晴香。」



ディスプレイに映し出されたその文字に小さな溜め息をこぼす。


そのまま本文は読まずに携帯を閉じた。



「チッ」



今更、連絡寄越すなよ…