【完】恋愛コンプレックス




「いきなりキスするなんて最低。」



「そんなに顔真っ赤にして言うなよ。嫌だった?」



嫌?



「…嫌じゃない。って、マスク返してよ。」


キスする際にさりげなく取られたマスク。


私の防具品が…!!



「やだね、マスクあったらキス出来ないじゃん。」


「…!しなくていいから。」



綾は笑いながらも返してくれた。



「さて、そろそろ帰るか。…まあ、このままどこかホテルにでも」


「行かないから!!」



何、さりげなく言ってくれちゃってんの。


「わかった、じゃあ。送ってやるから、手。」



差し出された手は大きくて綺麗で節クレなんて存在しなかった。