【完】恋愛コンプレックス




「さすがに暑い日にはアイスがうまいな。」


「...。」



そして、見れば分かるとおり流れでアイスを食べている二人。



「結局、割り勘なのね。」


「まあ、俺も金持ちじゃねえしな。」


ふっと笑った稜にまたもや胸がうずきだす。


「野上稜、何味?それ。」


「ん?これか?何味だと思う?」


いたずらっ子のようににこりと笑った。


持っているアイスは野上稜が買ってきたもの。


だから、当然味を知るわけでもなくて。


「ん~。イチゴ?」

「ハズレ。」

「さくらんぼ?」

「ハズレ。」


ピンク色のそれを見つめた。


もうそれ以外に思いつく果物はない。


私はチョコレート。

見ただけでどんな味がするかは分かる。