【完】恋愛コンプレックス




私は遠ざかる背中から一瞬たりとも目を離すことなく言った。


「あ……あ。野上ね~。分かったわ。とりあえず、教室行こ。」





なんで、なんであいつのこと知りたいのかはわからない。


分かりたくもない。

でも、何故か気になる。


自分でも認めたくなくて、無意識で……

でも確実に、


野上綾の存在は大きさを増していく。