【完】恋愛コンプレックス



うちの高校の理科室は北舎三階。


けっこう、距離があるんだよね。


そんな長い廊下を歩きながら、京花が何を思ったことかこんなことを言い出した。



「でもさ、あの子たちの意見にちょっと同感かも。」


「へ!?なんで...?」


何に同感してるんですか?


京花さま...。


「あんた、4月に転校してきてからずっとマスクしてるわよね。今は夏だし、花粉も少ないと思うんだけど...。」


「ぐっ....。」


痛いよ、その質問は。



「何か、理由があるようね。可愛いからオープンすればいいのに。」


「可愛いって...。可愛くないからコンプレックスの塊なのに。」



しかも、京花さま、あなたのような美人に言われても実感がわかないんですけどね。