【完】恋愛コンプレックス



私は2年A組で野上稜は....。


知らない。



でも、同じクラスでないことは確か。


だから、委員会なんて知らないし、話なんて聞いてなくて当然。


キッと野上稜を睨む。


「どうしたの?怖い顔しちゃって。早く行こう。」


「稜君のいうとおりよ。ほら、鞄。いってらっしゃーい!」



ちょっと...。


お母さんに押し付けられた鞄を持ったら玄関から締め出された。


「お母さん、ひどい。ご飯食べてないのに。」


「ふっ。それは遅くまで寝てるお前が悪い。」


隣にいる野上稜は意地悪く笑った。


「二重人格腹黒魔性の男。」



ボソッと呟くと、意地悪い笑みが凍りついた。


「なんだと....?」


じりじりと私に近づいてきた。