妃稲side
「まって、待ってよ。行かないで。裕哉、裕哉ーーー!!!」
っ...!!
「はあ、夢か...。」
あの日からずっと毎日のように見る夢。
裕哉がいなくなってしまったあの日から。
気がつくと、最初は掛けてあった毛布もベッドの下に落ちていて汗はびっしょりだった。
「私たら、もう、前見なくちゃいけないのに。」
毛布を体に掛けて目を閉じた。
浮かぶのは裕哉の顔ただ一人。
大好き、大好きだった。
私の初恋でこれからもきっとあなただけを好きでいる。
裕哉....?
私のことどこかで見てるかな?
見ていたら、きっと「馬鹿」だって言うよね?
でもね、まだ、忘れられない。
心も体も、ずっと裕哉だけを求めているの...。



