妃稲SIDE 「よかった...。」 さっきの女の子のことを稜に聞いた。 そして、私が好きだといってくれた。 「信じてたよ。私、稜を信じるって決めたから...離してくれて嬉しい。」 「当たり前。...コホッゴホッ!」 稜!? 「大丈夫?」 「あ、あ。少しかぜひいただけだよ。心配ない。」 あっけらかんと笑う稜にほっとした。 あ、そうだ。 私はポケットの中をまさぐった。 あった。