「は、稜。はははっ。よかったね、妃稲ちゃん。随分と愛されているんだね。俺、長いこと幼馴染やってるけどこんな稜の顔見たことないよ。」




「春斗君?」



妃稲は急に笑い出した春斗を心配げな目で見た。



「今の、気にしないで。妃稲ちゃんが幸せならいいから。」



「春斗...。」



本当にいいのか?



気持ちまだ、半分も伝えてないんじゃねえのか?




ううん。


でも、いいんだ。


春斗がいいって言ってるから、俺がこれ以上入り込むことじゃない。



「またね、妃稲ちゃん!」


「う、うん!」



春斗は手を振ると学校に向かって走り去っていった。



ごめん、春斗。


心の中で少しだけ謝った。



でも、親友のお前にも譲れないやつだからな。