俺は、晴香に別れを告げると走った。
待つべき人のもとへ。
でも、案外そいつは近くにいやがった。
曲がり角から聞き覚えのある声がした。
「俺にしなよ...。俺だったら、妃稲ちゃんにそんな悲しい顔させないよ。」
「春斗、くん...」
おいおい。
まさかの光景が目の前に広がっていた。
春斗が妃稲を抱きしめていた。
ああ、親友の春斗にでも黒い感情がわきあがる。
「そんなことさせねえよ、妃稲は俺のもんだよ。」
「稜...!」
妃稲は一瞬緩んだ春斗の腕から開放された。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…