しばらく一人で学校に向かって歩いていた。
すると、聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ。
「妃稲ちゃーん!おはよー。」
「...春斗君!久しぶり、おはよう。」
息を切らせて少しはなれたところから走ってきた。
可愛い薄茶色の髪がふわふわと揺れる。
男の子とは思えないくらい可愛い。
失礼なのかもしれないけど...
「妃稲ちゃん、稜は一緒じゃないの?付き合ってるって聞いたけど。」
春斗君は少しだけ切なげに笑うと首をかしげた。
なんで、そんなに悲しい顔をするんだろう。
大人になった感じはする。
でも、私は前私をメイクしてくれた生き生きとした春斗君が好きだな。
「なんか...私の知らない女の子といる。空気呼んで、逃げてきちゃった。」
えへっと笑ったけど春斗君には見透かされていたらしい。



