「私、先に学校行っていようか?なんか、話しあるみたいだし...。」




本当は、頷いてほしくなかった。


この手をずっとつないでいて欲しかった。



でも、そんなに現実は甘くない。



「ああ、悪いな。後で追いかける。」




「うん...。」



小さくその可愛い女の子にもお辞儀をすると私は稜の手を離して歩き出した。



本当は誰なのかききたい。



でも、そんなことしたらいけない気がする。


稜が私と裕哉を見ていてくれたみたいにそっと寄り添って生きたい。



もし、稜が聞かれたくないんだったらそっとしておこう。


それくらい稜を信じているから。


二人に私が入れない世界があることを感じ取ったとしても。



私はもう弱くない。