「さ、行くか。」 「うん。」 最近は当たり前になった登校時の稜の手。 でも、私はまだなれていなくって顔を赤らめてしまう。 少しずつ私の歩幅にあわせて歩いてくれる稜。 不器用な優しさが嬉しい。 裕哉とはまた違う。 それでも、私は稜をしっかりと見れる。 そのときだった。 後ろから可愛い声がした。 「もしかして...稜?」 私たちは振り向いた。 「晴香...なんで。」 私はここにはいてはいけない。 そんな気がした。