稜side
「ごめん、もう行くね。」
そういって、小走りで俺の横を走り去って言った日高。
自分では、気づいているのだろうか?
髪の毛と同じ色をした亜麻の瞳が切なそうに揺れたことに...。
まあ、俺もすぐ屋上を後にして、教室へ戻った。
すると、俺があっていたことを知ってかしらずかある男が話しかけてきた。
「なぁ。稜、日高妃稲って知ってるか?」
そう、話を持ちかけてきた春斗。
幼馴染であり、俺が唯一本性を見せる相手。
「知ってる、マスクの女だろ?」
「お?珍しいな、お前の記憶に女がいるなんて...。」
春斗は興味深そうににやっと笑った。
日高は校内でも有名だからな。
学年一可愛いらしく、ずっとマスクをしている。
今さっき会ったところなんだけど...。



