【完】恋愛コンプレックス




「紗英…。やめて!」



私は髪を掴んだ紗英の手を思いっきり引っ掻いた。


「―――っ!…最低、私を傷つけるなんて。」



その時の紗英の瞳は今でも忘れらんない。



憎悪に満ちた赤黒い瞳。



「早く、痛めつけて欲しいのね?わかった!」



カチ


ライターのボタンを押した。



燃え上がった炎。



怖い!


怖い…っ!



裕哉…………!!




心の中で裕哉を呼んだ。