「夜中の2時ごろに部屋をノックされて、扉を開けたら仮面を被った人が立ってたんです。」

「仮面?」

宮下が聞き返す。

「なんか、白い仮面だったと思います。
マントみたいなのを羽織ってたんで、体格や性別はわからなかったです。」

康之が思い出すように話す。

「仮面って言うのこれのことかな?」

佐久間が仮面を取りだして見せる。

「あ、その仮面です。
どうして佐久間さんが?」

康之が仮面みて尋ねる。

「さっき、宅間と河村さんを運ぶ時に現場の部屋に落ちてるのを拾ったんだ。」

「あれ、その仮面って…」

奈良が仮面を見て声をあげる。

「そう。
これは去年、山地が書人をする時に被ってた仮面だよ。」

佐久間が静かに答える。
山地の名前を聞いて居間にいた皆が息を飲む。