ミス研の部室に向かう途中、誰かが康之の肩を叩く。

「やっ!
テストどうだった、ヤス君?」

「宮下か。
ま、普通かな?
そんなにヤバそうなのは無いし、特別できたのが有るわけでもないし。」

康之が振り向いて後ろに立っている宮下梓に答えた。

「え~、つまんないな~。
もう、全部完璧っていうかもしくは全部白紙くらいの返事が欲しかったなぁ。」

「…極端すぎだろ。」

残念そうな顔をする宮下に康之がツッコむ。

「ま、それはいいとしてヤス君も今から、部室に行くの?」

「あぁ、夏休み入る前にとりあえず顔だしとこかなって。
宮下も部室行くのか?」

「うん!
夏休みにミステリー書こうかなって思って、その資料を漁りにね。
そういえば、ミス研って夏合宿とかしないのかな?」

「…ミステリー研究会の合宿ってなにやるんだ?」

「えーと、皆で合宿しながら作品書くとか…」

「締め切り前の作家の缶詰めじゃないんだから。
それに俺読む方専門だし。」

二人がそんな雑談をしながら歩いていると部室の扉が見えてきた。