回廊館の殺人

「最後は九号室、山下くんだね。」

名前を呼ばれて康之が立ち上がる。

「えっと、文学部一年生の山下 康之です。
自分も小説は読む方専門です。
面白いミステリーがあったら紹介してください。」

挨拶を終えると、康之は鍵を島村受け取り席についた。

「じゃ、これで全員の自己紹介がすんだね。
まずは、荷物を部屋に置いてこよっか。
このあと、七時から夕食だから時間になったらホールに集まってね。」

佐久間がそう言うと、各自ホールから自分の部屋に引き上げて行った。

ホールには康之と宮下、そして島村が残っていた。

「お二人とも、まだ、お部屋に戻られないんですね。
お茶でもお入れしましょうか?」

島村が二人に尋ねる。

「あ、お願いします。」

康之がお願いすると、島村はキッチンに消えて行った。