回廊館の殺人

「こちらが一号室の鍵になります。
ホールから回廊に出て一番最初のお部屋が一号室です。」

島村が鍵を宮下に渡す。

「あ、ありがとうございます。
えっと、文学部一年生の宮下 梓です。
ミステリー小説書いてみたいと思ってます。
よろしくお願いします。」

宮下が頭を下げて着席する。

「えっと、次は二号室に新田さん。」

佐久間から名前を呼ばれて宮下の隣に座っていた栗色のショートヘアの女性が立ち上がる。

「文学部の二年生の新田 香織です。
私はどっちかって言うとミステリーを読むのが好きで入りました。
宮下さんも小説書けたら読ませてね。」

鍵を受け取りながら新田が宮下に笑顔を向ける。

「はい、喜んで!」

宮下も笑顔で頷く。

「次は三号室、河上さん。」

山瀬の隣に座っていてる黒髪を束ねた眼鏡の女性が立ち上がる。

「文学部三年、河上 綾。」

それだけ言うと河上は鍵を受け取って座ってしまった。