「紗奈と約束してるしな。」


紗奈・・・ 紗奈との約束・・・


私は胸がズキンっと痛んだ。


紗奈に甲子園の宏大を見せてあげたい。
そう思ってた。 けど・・・けど・・・
このまま負けてしまえば・・・

足だってこんな状態、無理は絶対ダメだ。
宏大に無理をしてほしくないから、
このまま終わってしまえば・・・


ブンブン美優は首を横に振った。


また私は何を考えてるんだ!!


「どうした美優!?」


「ううん、なんでもない!!」


私ってホント最低だ・・・
紗奈に見せたくないことを
宏大の怪我のせいにして・・・


「はい、終わったよ。」


私は宏大の足をテーピングでがっちりと固めた。


「サンキュ!!」


宏大はスクッと起き上った。