「優也、来たよ」


「いらっしゃい」


いつもどおりの挨拶。



「私って誰からも必要とされてない人間なんだ。」





「…そんな人間いないよ。」



「ここにいるよ。」


「エミは俺に必要とされてるよ。」



嘘だ。…絶対嘘だ。




「だって、エミは俺の為に生きてくれてる。」



「…」


「俺の為に会いにきてくれる。」


「…」



「俺はエミが必要だよ…?」




涙が一粒こぼれ落ちた。



気が付くと優也のぬくもりで包み込まれていた。



「…あったかい」


「はじめてみた。エミの笑ってる顔。」



そう言って優也は笑った。